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第一巻

ゾイドゴジュラス対レッドホーンの戦い
ZAC2030年、過酷な環境、ゼネバス帝国内部の砂漠地帯。
帝国領土の奥深くまで攻めこんできたゾイドゴジュラスに、レッドホーンが掴み上げられる。
武装で勝るレッドホーンも、ゾイドゴジュラスのパワーには苦戦を強いられていた。
ゴジュラスを上回る巨大ゾイド完成の日まで、
帝国軍はレッドホーンの改造タイプを多く生産することで時間を稼いでいた。


空前の新型ゾイド開発競争
フロレシオ海を進む共和国軍のフロレシオス艦隊。
共和国軍の新型ゾイド、バリゲーターのレーダーに上空から近づく影が映った。
それはゼネバス帝国がもたないはずの飛行ゾイド、エイ型のシンカーだった。
ZAC2031年は、陸上戦から海上、空中戦へと戦場が多様化した年であった。
帝国軍側にザットン、マーダ、ゲルダー、モルガ、シンカー、マルダー、ゲーター
と魅力的な小型ゾイドが大量に登場した。


帝国の逆襲
ZAC2032年、ついに帝国軍は巨大な黒い「山」アイアンコングを開発。
共和国に攻めこんだ大部隊は驚くべきスピードで平原地帯へと迫る。
小型ゾイドでの時間稼ぎによって共和国全土から250台のゴジュラスが
集められ、150台のコングと激突。捨て身の戦法でコングを退けたが
ゴジュラスの損害はミサイルを持つコングを上回っていた。


ゾイドゴジュラス・9バリエーション
ZAC2032年、アイアンコングとゴジュラスが共和国領内で激突。
結果的に共和国が勝利したものの、
ゴジュラスが撃破されたことは共和国軍にとって大きなショックであった。
再度コングとまみえることを想定して、共和国では3つの研究所に改造プランの提出指令が出された。
その指令とは、ミサイル攻撃に耐える防御力、コングを行動不能にできる攻撃力、
いずれかの能力をもつゴジュラスを開発することだった。
結果、バトロイドタイプ、高速移動タイプ、戦車タイプ、
強化装甲タイプ、格闘戦タイプ、長距離ミサイルタイプ、
ハンドミサイルタイプ、飛行タイプ、長距離砲タイプの9種類の改造案が提出された。
その中の一つ、長距離砲撃タイプをプロトタイプとしてのちのゴジュラスMK-2が開発されることとなる。


第二次新型ゾイド開発競争
アイアンコングの誕生により、両軍は強力な新型メカこそが勝利への近道であること、
地形が多様な中央大陸では、同じく多様なゾイドを組み合わせた部隊編成が有利なこと
といった教訓を学んだ。ここにおいて以後のゾイド戦の常識が誕生したと言えるかもしれない。
長らく「最強小型ゾイド」であったゴドスもハンマーロックの前には敵ではなく、
さらに数ヶ月前に開発されたヘルキャットですらスネークスに遅れをとるような状況が生まれていた。
戦火の広がりとともに新型メカ開発競争は激しさを増していった。


ゾイドゴジュラス秘密指令
国境から数百km離れた帝国特殊工場で、アイアンコングに続く大型ゾイドが完成したという
極秘通信を受けた共和国軍司令部は、計四機のサラマンダーにより
最強のゾイドゴジュラスを空輸・単独強行偵察を行わせる作戦を実行に移した。
守備隊のほとんどが工場の外に防御線を張った工場内で、ゾイドゴジュラスは
接敵を回避することができなかったモルガやレッドホーンを蹴散らしながら目標に到達。
コンピューターに未知の赤い高速ゾイドを記憶させ、脱出用ロケットで天井を突き破り
サラマンダーにより回収された。このとき、15分の作戦時間限界まで残り7秒であった。


戦場の赤いイナズマ
ZAC2036年、ゼネバス帝国軍は恐るべき新型ゾイド、サーベルタイガーを投入した。
80トンという軽量に目をつけた共和国軍は大型ゾイドをぶつけるも、結果は無残な敗退。
大型ゾイドは200km/hで走行し続けるサーベルタイガーを補足すらできずに沈んで行った。
『帝国トラ型ゾイド、サーベルタイガーに遭遇した部隊は、
極力交戦をひかえ、直ちに空軍の援護を求めること。』
当時の共和国軍が全軍に出した有名な指令である。
しかし、その頃共和国の研究所では戦況を一変させるゾイドが完成に近づいていた。


奪われた超極秘ゾイド
ZAC2037年、ゼネバス帝国軍の優秀なスパイコマンド“エコー”は、
ハンマーロックをシンカーに搭載し、闇夜に紛れて降下。
ヘリック共和国軍の新型決戦ゾイド・ウルトラザウルスの奪取に成功する。
そのまま共和国首都の砲撃を試みるが、ロー・ジー・トーマス大尉のカノントータスにより
レーダーを破壊されていたために、首都に十分接近してウルトラキャノンを発射することに。
空軍のサラマンダーによる爆撃でもウルトラは止まらず、共和国は絶体絶命の危機に陥ったが
ゴジュラス2台の不意討ちによる一瞬の隙をついて、カノントータスで待ち伏せしていた
トーマス大尉はウルトラの唯一の弱点であるコクピットキャノピーの狙撃に成功。
エコーは操縦席ごと脱出した。


対ウルトラザウルス用コングを開発せよ
ウルトラザウルスを奪取したコマンド“エコー”の活躍は帝国中に知れ渡り、国民の喝采を浴びた。
しかし、ゼネバスはウルトラの量産すら可能な共和国の国力を見せつけられ危機感を感じていた。
そこでゼネバスは“エコー”にウルトラをも撃破できるようなアイアンコングの改造を一任。
同時に、ウルトラが量産される前に共和国へ進攻する準備を帝国軍全軍に命じるのだった。
ゾイド星北極地帯を決戦の地と定め考案された寒冷地戦タイプ・イエティコング。
スピードアップと飛行能力付与を目的とした宇宙空間移動タイプ・スペースコング。
これらの実験結果は1種類にまとめられ「アイアンコングMK-2」としてコングを生まれ変わらせた。


大氷原の戦い
厳しい自然でゾイドの侵入を拒むそこは、北まわりで敵地への侵入を行うための重要地域であった。
“エコー”は共和国のSOS信号をそこから発し、ウルトラザウルスを待ち伏せる。
ウルトラ単独で構成された救援部隊が向かい、巨大な(ゾイドマンモスの)残骸を発見するが
突如現われた“エコー”のコングMK-2に寒冷地用エネルギータンクを撃ち抜かれてしまう。
サラマンダー4機に抱えられたゴジュラスMK-2が救援にかけつけ、ブリザードを突き破って降下。
脅威的な運動性能を見せるコングは横滑りでゴジュラスの砲弾をかわし、その背後に砲を突きつける。
が、コングが占めたその位置はウルトラザウルスの射線上であった…。


敵地への脱出
ZAC2038年、突如帝国の大部隊に包囲された共和国軍無線基地。
基地の人間は全員でただ1台のみ配備されていたウルトラザウルスに乗って脱出する。
ウルトラは国境近くで囲まれるが、最後の切り札、
全方位攻撃によって帝国軍を壊滅させることに成功する。


勝利への大きなかけ
ZAC2038年のウルトラザウルス上陸作戦。
ゼネバス帝国軍が雨期の到来で泥沼となった共和国の平原で立ち往生している隙に、
ヘリック共和国軍は敵の背後をついて帝国領土への危険な上陸作戦を敢行する。
スネークスを先頭にミーバーロス湾から上陸。ゴジュラスはその身を盾にして戦う。
最後に残った1台のウルトラが司令本部を砲撃できれば作戦が成功するためであった。
危険を覚悟で低空に降りた偵察仕様のプテラスの情報により、帝国の司令本部は吹き飛んだ。


目標・帝国の首都
ZAC2038年、ゼネバス帝国軍の司令本部を破壊したヘリック共和国軍は帝国領へ進撃。
大尉に昇任したてのトーマス(当時)も戦列に加わり進軍していたが、
国境の橋で愛機カノントータスの故障により、後続の部隊を立ち往生させてしまう。
修理に来た兵士は、トーマスが持っていたものを見て操縦桿も取れてしまったのかと訊ねるが、
それはかのコマンド“エコー”が死の直前までその手で握っていたであろう、
アイアンコングMK-2の操縦桿だった。


第二巻

銀河系内の読者諸君へ
2巻の序文。1巻が地球で翻訳され子供たちに好評を博したことをうけて、
2巻が出版される折りに著者のR.S.トーマス氏が記した形式となっている。
(1巻の読者だった名高い宇宙言語学者ヘーゼルハースト博士の薦めで翻訳された)
ZAC2046年(3巻で語られるケンタウロス登場の年)に北国の移動研究所にて執筆された。


ゼネバスを捕らえよ
ZAC2039年の、ヘリック共和国軍によるゼネバス帝国首都包囲作戦。
連日の砲爆撃の後、共和国軍小型ゾイド部隊は町の内部に進撃した。
王宮を守る無人ロボット・ブロンズコングによる反撃により司令部が窮地に立たされるも、
ゴジュラスMK-2限定型が撃退に成功する。
エリクソンは王宮突入部隊を率いてゼネバス皇帝を捕らえるべく奮闘する。
しかし、中庭の地下に隠されたシュトルヒに乗って皇帝は脱出に成功した。


暗黒大陸への脱出
ZAC2039年、首都を陥落させられたゼネバス帝国軍将兵は、中央大陸北部海岸バレシア基地へ。
生き残りの集結を知った共和国司令部はサラマンダー飛行隊による爆撃を命じるが、
海岸特有の風と『虎将軍』ダニー・ダンカンのサーベルタイガーに阻まれる。
帝国首都包囲戦を終えた主力部隊が迫る事態に、
ゼネバスは全シンカーを発進させて暗黒大陸を目指すことを決断。
エリクソン大佐のウルトラザウルスによる砲撃から皇帝のシンカーをかばって、
ダニー・ダンカンはその身をウルトラキャノンの前に投げ出した。


ふるさとをわが手に
ZAC2041年。バレシア湾に面した共和国海軍基地は奇襲を受け、火の手に包まれた。
1年と数ヶ月前に暗黒大陸へ去ったと思われたゼネバスの逆襲であった。
上陸作戦用に開発されたホエールカイザーから、ディメトロドンが次々に吐き出される。
共和国軍の通信網をズタズタにしたディメトロドンの活躍で、
海岸線の共和国守備隊は司令部に連絡することも援軍を求めることもできず、次々に降伏した。


敵地のまっただ中で
ZAC2041年、帰ってきたゼネバスによって国境線は元通りに。
そんな中、帝国領土内に踏みとどまって戦っていた共和国コマンド部隊。
その中でとりわけ有名なひとつ、ブルーパイレーツの活躍が描かれている。
シーパンツァーが盗まれる新型機の役として登場している。


舞い降りた赤いイグアン
ZAC2042年、領土を取り戻して勢いに乗るゼネバス帝国は
共和国首都に最も近い町アルメーヘンを国境突破地点に選ぶ。
プテラスに化けたイグアン空挺部隊の奇襲により橋は帝国軍が確保するが、
ゴドスの大軍を相手にする羽目に。20時間以上に及んだ激戦の末、
カノントータスの大部隊の前に彼らは倒れた。フロスト中佐が待ち望んだアイアンコングMK-2は、
共和国の工兵隊によって橋が爆破される前に到着し、国境の橋は帝国軍の物となった。
第二次中央大陸戦役中最も激しい戦いといわれている。


駆けぬける青い影
ZAC2042年、再び国土を取り戻したゼネバス帝国は
ヘリック共和国との国境の防衛線に対して猛攻撃をかけた。
分厚い壁にシンカーが大量の爆弾を降らせ、脆くなった壁をブラックライモスが突き破る。
しかし、共和国領内の森に侵入したセイバータイガーは青い新型ゾイドの反撃を受けた。
エリクソン大佐の開発したシールドライガーが森林戦用の切り札として初登場したエピソード。
なぜか巻末の目次では「大平原の戦い」となっている。


なぞの超巨大ゾイド
ZAC2043年、共和国が襲撃した帝国輸送部隊の積荷から、
ゾイドゴジュラスをもはるかに越える恐竜型巨大ゾイドの開発計画が発覚。
エリクソン大佐の指揮する「高速機動戦隊」が研究所を襲撃するが、
研究所は爆破され、巨大な足跡だけが残されていたのだった。
チャフの散布や、ゾイド戦役初の空中補給作戦などが見所。


仮面騎士団のおそるべきわな
ZAC2044年、帝国特殊部隊「スケルトン」が共和国空軍基地に奇襲をかけた。
滑走路のプテラスがロードスキッパーを駆る隊員の鎌や剣により切断される。
退却する彼らを追ったプテラス部隊は、どろどろにとけた残骸となって発見された。
帝国24ゾイド部隊の支援をうけた「死の恐竜」デスザウラーの進撃が始まった。


つき進む破壊の悪魔
ZAC2044年。デスザウラーは、特殊部隊「スケルトン」を従え共和国首都へ向けて前進する。
トビーは、ゴジュラスの大部隊が集結していた共和国軍基地を避けずに進むのだった。
歴戦の勇者ゴジュラスが起動し、「何十台ものエンジン」が唸りをあげるが、
デスザウラーは腕の一振りでゴジュラスを軽々と投げ飛ばして行く。
その戦いの最中、スケルトン部隊は基地に爆弾が仕掛けられているのを発見するが
デスザウラーは荷電粒子砲で大地に穴を開け、地中を掘り進んで脱出に成功する。


共和国首都を守れ
ZAC2044年、無敵の快進撃を続けるデスザウラーの前に人々は首都に逃げ込む。
デスザウラーの前にただ一人立ちふさがったのは、
Eマークのウルトラザウルスに乗るエリクソン大佐であった。
橋を渡るデスザウラーにウルトラは水中から奇襲をかけて20分以上水底に沈めるが、
「悪魔のかぎ爪」によって首をへし折られてしまう。
兄のかたきをとったと勝ち誇るトビーに対して、いまわの際にあるエリクソンがかけた言葉は、
その兄ダニー・ダンカンを称える言葉だった。


実りなき勝利の行進
ZAC2044年冬、デスザウラーに首都防御線を破られた共和国軍は首都に立てこもる。
何週間にも及ぶ砲撃の末、遂に3つの城壁は打ち破られ、数万の帝国軍は内部に突入する。
しかし、そこで彼らが目にしたのは兵士どころか住人の姿も無い無人の首都であった。
ロングレッグサリーも登場。


新たなる自由を信じて
帝国軍により首都を落とされた共和国軍は、首都に掘ったトンネルを20km行軍、南へ脱出する。
ヘリック大統領も扮装して紛れていた。


第三巻

戦争の二つの顔
『ゾイドバトルストーリー』3巻の序文。ZAC2044年、著者のロイ・ジー・トーマスは
トンネルを抜けて共和国首都を脱出する道のりにある避難民のひとりだった。
数十キロにおよぶ長くて辛い行軍の中で、彼は病気の妹を背負って歩く女性が
疲労のあまり倒れ伏す場面を見かける。
そこに駆け寄った将校は2人に水と食料を与え、励ましながら共に歩き始めた。
誰かがささやく。「間違いない、あの将校はヘリック大統領だ」
後にトーマスは、将校の正体を知った姉妹の姉が大統領親衛隊へ入隊したと聞いた。
戦場で姿を現す、ゾイド星人の心に住む悪魔の顔と天使の顔。
彼はその両方を書くことができればと願うのだった。


大氷原の白いわな
ZAC2044年12月・元共和国領北部海岸クック基地。
フランツ・ハルトマン大尉のもとへかつての教え子シュミット・ルドルフが派遣されてきた。
帝国軍占領下のそこには、冬の訪れを告げる流氷。珍しくも大きな氷山までやってきた。
しかし、くるりと反転した氷山の裏側には、改造ゴルヘックスを主砲とする巨大な砲台が。
共和国軍は停泊中のゾイドを全滅させ、バリゲーターで大氷山地帯へ逃げ込んだ。
帝国軍はアイアンコング・ブラキオスの大部隊を差し向け、フランツと教え子2人も出撃。
運良く大統領専用ウルトラザウルスを発見した追跡部隊に攻撃命令が下ったその時、
2台のヘリック専用ウルトラザウルスと共和国の大軍が現われ、集中砲火を浴びる帝国軍。
コングを捨てたフランツの眼前で、教え子たちのコングはヘリックのウルトラに踏み潰された。
ウルトラに乗っていたのは大統領のかえ玉だった。敬礼をかわす、二人のかえ玉ヘリック。


かわされた必殺の一撃
ZAC2045年3月、共和国の将軍達は大統領に無断でデスザウラー捕獲作戦を決行。
シールドが敵地でチャンスを探り、サラマンダーとウルトラザウルスが攻撃した。
しかし2機の連携がうまくいかず、ウルトラは背中のファンを撃ち抜けない。
サラマンダー撃破による作戦失敗を知らされた大統領は遺族へ手紙を書いた。


海の道を守れ
ZAC2045年5月、フロレシオ海の制海権を得るための作戦。
おとりを使い帝国艦隊を出撃させる。そこをウルトラザウルスとプテラスで攻撃し撃滅。
問題は最新飛行ゾイド・レドラー。上空直衛のプテラスを撃破。
ミサイルを抱えウルトラ艦隊に迫る。しかし燃料不足のため全機不時着水。
隊長ガーランド中佐は残りの燃料を使いウルトラに信号弾を発射する。
それは戦士としての誇り。いたずらに敵兵を殺すまいという信念である
。 それを見ていたリンデマン提督は副官に対し次のように声をかけた。
「忘れるな、勇者として、最高のもてなしをするのだ。」
こうしてフロレシオ海の全域が共和国のものとなった。


フランツの挑戦
ZAC2045年6月、フランツ大尉は「ヘリック大統領誘かい作戦」の実行を許可される。
数日後、デスザウラーの作戦指令書を奪った兵士が前線の共和国陣地に逃げて来る。
大統領は、壊滅したゴジュラス基地の生き残りだというその大男の兵士に会うことに。
サラマンダーの赤外線ホーミングミサイルとコマンドウルフの催眠ガスにより
デスザウラーは無傷で捕獲され、大型グライダーでヘリックが隠れる秘密基地へ空輸された。


ヘリックへの贈り物
ZAC2045年6月。共和国軍が捕獲したと(思いこんでいる)デスザウラーは、
フランツと供にフロレシオ海の島に築かれた秘密基地へ運ばれた。
共和国の秘密基地への侵入に成功したフランツは
デスザウラーの腹部に格納されたロードスキッパーで大統領を連れ去った。
誘拐作戦が成功したかに思われたが、
突如襲ってきたバトルローバーを駆る金髪の女騎士にフランツは敗れ、死を覚悟する。
しかし、彼女はとどめを刺すことはなかった。デスザウラーの自爆装置を押すフランツ。
「私は誰も倒したくない」ローザと名乗った彼女の奇妙な言葉が、フランツの頭から離れない。


たった一台の"上陸部隊"
ZAC2045年7月、共和国南岸の港。
ゾイド戦役史上最大・17万人と5千隻が結集した中央山脈南端のゲルマンジー半島への上陸作戦。
が、上陸予定地点にデスザウラーが確認されたためヘリックはウルトラザウルスに陽動作戦を命じた。
ウルトラザウルス1台。輸送船に乗せられたゴジュラスMK−II2台。数隻のバリゲーターは、
上陸地点の対岸・ディエップの浜辺においてデスザウラー相手に勝ち目のない戦いを演じる。
デスザウラーのパイロットが真の上陸地点に気づき、海を渡って向かおうとしたその時、
荷電粒子砲を受けて死にかけていたウルトラはインテークファンめがけ最後の一撃を食らわせる。
それでも任務を捨てない戦士デスザウラーはウルトラ艦隊に追いついたが、
キャノン砲の一斉射撃で海底に没した。共和国軍は中央山脈へ進出。


小さな戦士たち
ZAC2045年8月。この頃戦いの舞台は中央山脈に移り、中〜小型ゾイドが戦場の主役になっていた。
そんな中、ゾイド星中央山脈の奥深くにあった戦災孤児たちだけの村に
ヘリック共和国軍のコマンドウルフが命からがら逃れてくる。
傷ついたパイロットは子供たちに救助されるが、帝国軍の追跡部隊がやってくる。
子供たちは不意打ちで敵部隊の中のツインホーンを奪い、岩なだれを起こしたり、
いつの間にか用意したハリボテのゴジュラスMK-2を逆光の中ホンモノに見せかけたりとの
奇策を用いて、パイロットを守りきるのだった。


かけ降りた超巨大ゾイド
ZAC2046年3月、共和国軍は中央山脈にある帝国軍最大の山岳基地を包囲。
厳冬期にも関わらず山脈での長期戦を選んだのは、
分解されたウルトラザウルスを秘密の山道「ヘリック・ルート」によって運ぶための時間稼ぎのため。
組み立てられた5台のウルトラは山頂から雪崩と共に駆け下り、
基地は何万トンもの雪にのみつくされた。


ケンタウロスの槍
ZAC2046年8月、中央山脈最大の山岳基地を陥落させた共和国軍は平原地帯へむけて進撃する。
ヘリック大統領の乗るケンタウロスも救援に駆けつけ、
アイアンコングの重装甲を突き破る槍を持って大活躍。
しかし、兵力のほとんどをレッドリバーへ出撃させていた総司令部は、
デスドッグによって奇襲され壊滅していた。


最後のかえ玉ヘリック
デスドッグの奇襲を空中に逃れてかわしたケンタウロスだが、エネルギー不足に陥ってしまう。
ならばとヘリックがデスドッグを迎え撃とうとするが、彼を危険に晒すわけにはいかないと
同乗のローザ大尉はヘリックを強制的にビークルで脱出させる。
襲いくる敵がヘリックの命を狙うフランツだという事をローザは直感していた。
ローザはのど笛に食らいついたデスドッグもろとも機体を上昇させ、
共に高度100mから落下させた。落下地点に駆けつけたヘリックが見たものは、
デスドッグのパイロットが脱出していた事と、自身は瀕死の重傷を負いながら
敵兵が助かったことを喜んだローザの美しい微笑みであった。


ふるさとへの長い道
ZAC2046年10〜11月、共和国軍は全土で反撃作戦を開始。平原地帯へ進撃。
「共和国首都かん落2周年」を祝うはずの朝、前線基地では激しい砲撃が鳴り響いた。
中央山脈最北部の氷河地帯など雪山を横断する山道のみになった帝国軍の補給線。
そこには、ついにヘリックへの復讐を果たすことができなかったフランツの姿があった。


新しい年への祈り
ZAC2046年大晦日。ヘリック大統領はケンタウロスの大破により重傷を負うも
奇跡的に助かったローザ大尉に野戦病院でプロポーズする。


第四巻

年若い読者諸君へ
4巻序文。ZAC2047年11月にヘリック大統領とローザ婦人の間に息子が生まれたこと、
その祝いの席でゼネバス皇帝から腕輪が送られ、その腕輪の由来を大統領が話したことなどが
R.S.トーマス氏の回想の形で綴られている。
目次では「年若き読者諸君へ」となっている。


首都にほえる巨砲
ZAC2047年4月の日曜日の朝。
ミサに参加しようとして占領下の共和国首都にある教会に入った帝国軍兵士は
86センチ砲を撃ちまくる改造ディバイソン“ビッグ・バッド・ジョン”に遭遇する。
共和国軍により、とらわれのチェスター教授救出作戦が開始されたのだ。
「陽動班」による地上の混乱に乗じ地下水道では元首都水道局技師の軍曹の道案内で
「救出班」のメガトプロスが収容所独房の壁をぶち破り、教授の救出に成功する。
が、「脱出班」の高速タイプのアロザウラーが移動中のデスザウラーに遭遇してしまう。
機体を捕獲されてしまうが、間一髪コクピットを分離させることで脱出に成功した。


密林の赤いイナズマ
グレートサーベルのデビュー戦。
ZAC2047年6月、共和国軍は首都奪回の前に中央山脈北部に残る帝国軍の補給線を分断することを決定。
しかし、東から進撃したベアファイター部隊は謎の黒いゾイドに遭遇し、反撃も出来ずに全滅してしまう。
西から進撃したシールドライガー部隊にも8連ミサイルが嵐のように降り注ぎ、こちらもまた全滅。
長い補給線のどこを攻撃されても反撃ができるグレートサーベルの機動力は遺憾なく発揮されたのだ。
この作戦が成功したならば、共和国軍はマッドサンダーの完成を待たずに首都へ進軍していたはずだった。


すべていつわりの島
ZAC2047年7〜12月の出来事。共和国軍は新型ゾイド(マッドサンダー)を開発させるために、
変わり者の共和国軍人ルイス大尉とマーチン少佐が考案した「かまどとツバメ」作戦を実行に移した。
ルイスとマーチンは工兵部隊を率いてフロレシオ海の小島に大規模な軍事基地を建設。
帝国軍の目をそこにひきつけさせ、大部隊での攻撃を用意させて時間を稼ぎ(かまど作戦)
その隙に安全な空の研究所で開発作業を行う(ツバメ作戦)という大掛かりなぺてんだった。
ルイスとマーチンはデスザウラーを擁する敵の大軍に攻められつつも、
なんとか島からの脱出に成功するのだった。


高度3万mの悪魔
帝国軍はチェスター教授の行方を懸命に追っていた。
そんな折、中央山脈南部に共和国の秘密研究所が発見される。
ZAC2048年1月、マイケル少佐開発の超巨大爆撃機デスバードが飛び立った。
全くの不意打ちに、炎に飲み尽くされる研究所(とゴジュラスMK-2量産型)。
デスバードは高度3万mにて、迎撃に出たプテラスを待ちうけて撃墜する。
悠々と帰投するデスバードだったが、その後を偵察機「ステラス」が追っていた。
ステラスはデスバードの基地を発見する。


わなに降りた勇者たち
ZAC2048年1月。「高度3万mの悪魔」での改造デスザウラー・デスバードによる空襲は、
共和国コマンド部隊隊長、「奇襲作戦の教科書」ロバーツ大佐の軍人魂に火をつけた。
「敵の考えもつかぬ改造ゾイドで奇襲攻撃すれば、どんな敵も倒すことができる」
そう信じる彼は、でデスバードの眠る格納庫がある基地に空挺攻撃を仕掛けた。
しかし、彼にとって誤算だったのは陸戦タイプ改造デスザウラー・デスシャドーの存在。
改造サラマンダー・ガブリエーレは一刀のもとに両断され、
探知用の黄色い光、「イエローフラッシュ」を浴びせられたアロザウラー4台は
退却するも次々発見されて仕留められてしまった。


ゴーレムの奇跡
マイケル少佐の天才的指導により、帝国軍の軍備は強化された。
それを見て、皇帝は中央山脈の共和国軍をはさみ討ちにする大作戦を実行する。
しかし、ウルトラザウルスが立ちはだかり、迫る帝国ゾイドを吹き飛ばした。
マイケルは拾い上げたキャノン砲をゴーレムに担がせ、ウルトラの砲座を砲撃。
電磁ロープで腹部に貼りついて機内に侵入し、爆破装置をセット。
弾薬庫に引火したウルトラザウルスは大爆発を起こし燃えあがった。
マイケルは「チェスター教授開発」のウルトラザウルスを倒し、
ゴーレムの力を見せつけたが、ゼネバス皇帝の胸には不吉な思いが去来するのであった。


あざむかれた小さな巨人
なぞに包まれた共和国軍の新型ゾイド(マッドサンダー)を破壊するため、
ゴーレムが秘密工場に潜入した話。
共和国側はにせの通信をわざと傍受させ、とある工場をおとりにする。
音を立てずに鉄橋の上を渡ったりジャンプ宙返りしながらメガトプロスのコクピットを打ち抜いたりと
ゴーレムは小さな巨人のごとき活躍。
しかし、新型ゾイドと思った機体はゴジュラスの残骸にハリボテをかぶせただけのものだった。
ゴーレムは攻撃は無駄だという通信を最後まで送るが、
デスバードとレドラーの爆撃隊は一切の無線を無視するように命令されていた。
ゴーレムとパイロットは施設の真相ともに炎に消えた。
ZAC2048年9月の出来事である。


塔の上の悪魔
共和国首都北方の帝国軍前線基地の要塞を守るミサイル装備のアイアンコングに対し
首都奪回を目指す共和国軍は何度も攻撃をかけるが、
その度にミサイルをあびせられさんざんな目に合わされていた。
共和国軍兵士は、コングを「塔の上の悪魔」と呼んで、要塞に近づくのも恐れていた。
だが、共和国軍の新型超巨大ゾイド「マッドサンダー」によって塔もろとも破壊されたのだった。


死をかけた挑戦
ZAC2048年12月。マイケル・ホバートは共和国の首都を奪回すべく進撃してくる
チェスター教授の新型ゾイドがどんなものか確かめるべく、デスファイターで待ち構えた。
現われたマッドサンダーは素晴らしく、戦わずに退却するなど考えられなかった。
振り下ろした電磁剣は真っ二つに折られ、至近距離からの荷電粒子砲も吸収。
そのままドリルでエンジンを貫かれ、デスファイターは敗れてしまう。
雪原に放り出されたマイケルに、マッドサンダーのパイロットはとどめをささなかった。


結ばれた二つの手
ZAC2048年12月。マッドサンダーを押し立てた進撃により、共和国首都は奪還される。
帝国軍は中央山脈でも敗退。ゼネバス皇帝のもとには敗北の知らせが届くが、何より彼を
打ちのめしたのはマイケル少佐行方不明の一報だった。
マッドサンダーに敗れ捕虜となったマイケルは、ある病院の一室にて病床のチェスター教授と面会する。
教授は、マイケルに一組の義手と義足を渡し、これを自分に代わって完成させるように言う。
「ゾイド星で、最も心正しい科学者に、これをたくす」義手の裏には小さな文字。
それは、一年前に亡くなったマイケルの父、なつかしいドン・ホバートの刻んだ文字であった。


大空を舞う祈り
首都奪還後、ヘリック大統領は(捕虜の)マイケル少佐が完成させた
高性能の義手と義足を祖国ゼネバス帝国の負傷した人々に贈ることを許可した。
トーマス氏他数名を乗せた共和国軍のヘリコプターは、
高射砲の出迎えを受ける事もなくゼネバス領土を飛び、
科学が生んだプレゼントの入ったパラシュートを投下した。




はじめに
『新ゾイドバトルストーリー』巻頭のエピソード。
ZAC年2054年、共和国軍中央研究所にてトミー・ミューラーは3年前の年始を回想する。
ゼネバス帝国首都の制圧によって中央大陸を二分した戦争が終わりを告げようとしていた1月。
彼は、もっと早くに中央大陸以外の大陸の存在に目を向けるべきだったと記す。
そうすればもっと早く、3年前にヘリック共和国とゼネバス帝国の戦いは終わっていたであろうと。
そして彼は、ふたが開いた地獄にこのまま飲み込まれまいとする戦いの記録を残しておくことに
決意を燃やすのだった。すべての勇気と死は、未来へ向かって生き続ける、のだと。
ちなみに戦時中の為か本文中では「暗黒大陸皇帝ガイロス」が「地獄の大王」呼ばわりである。
これでは、『新ゾイドバトルストーリー』が共和国側のプロパガンダ的な歴史資料だと
考えるファンがいても、不思議ではないかもしれない。


消えたゼネバス
ZAC年2051年3月、ゼネバス皇帝をニカイドス島まで追い詰めたヘリック共和国軍。
クルーガ少尉含むレイノス編隊による航空攻撃で海岸線基地のレーダーを潰し
(レーダーはデスザウラーに搭載)マッドサンダー輸送タイプのウルトラザウルス
200隻以上をもって上陸、猛進撃を続けてAM11:00には海岸線をほぼ制圧してしまった。
上陸部隊第2波のゴジュラスMK-IIによる砲撃音が響く中、ゼネバスは側近に語る。
「新しい友人たちを迎えるのだ、帝国軍を再建するために」と。
脱出したゼネバスのビークルが発見されるが、もぬけの空であった。
同日夕刻、共和国軍の前には見た事もない謎のゾイドが現われる…。


うらぎられた密約
中央大陸のヘリック共和国軍司令基地に入る戦況報告は、完膚なきまでの
敗北を伝えていた。悪寒を感じたヘリック大統領は全軍退却を命令。
ゼネバス帝国軍は一旦安堵するが、それも束の間彼らは暗黒軍に囚われの身に。
激怒したゼネバス皇帝は親衛隊を率いて立ち向かうが、デッド・ボーダー1台に敗北。
すべての帝国戦力は暗黒軍に吸収され、海の彼方へ連れ去られて行った。
ただ1隻、撃沈されたホエールカイザーから暗号文書が発見され、共和国の手に渡った。


二人だけの暗号
回収された暗号文は、ヘリックとゼネバスの兄弟が子供時代に作った暗号だった。
ZAC2051年10月、ヘリック共和国軍は空のマッドフライ、海のシーマッドをもって
遂に暗黒大陸への上陸作戦を開始する。が、そこに現われたダーク・ホーンの
恐るべき攻撃性能の前に会海上部隊は窮地に立たされる。
救援に向かうはずだったマッドフライも敵飛行場を防衛していたデスエイリアンによって
破壊され、第一次上陸作戦は上陸部隊の全滅による失敗という結果に終わった。


暗黒の大地にほえる黄金砲
ZAC2052年6月。遂に新兵器・黄金砲が完成し、クルーガが撃墜したホエールカイザーから
上陸母艦タートルシップを開発することに成功したヘリック共和国軍は第2次上陸作戦を開始する。
“黄金砲”ハイパーローリングキャノンは一斉射でデッド・ボーダー小隊10台を一掃する破壊力を見せ、
上陸から20時間後、ガンブラスター中隊はエントランス(入り口)湾と名付けられた暗黒大陸海岸線
より半径5kmを制圧完了。各部隊も順調に海岸地域を占領し、作戦成功を打電する。
「バーナム川に初雪。バーナム川に初雪」
それは、8ヶ月前の作戦では誰も聞くことのできなかった暗号だった。


地獄の光輪を見た
暗黒大陸に上陸したヘリック共和国軍は、さしたる反撃に遭遇していなかった。
しかし、時にZAC2052年11月。エントランス湾より800kmの山中にて、
赤外線センサーを装備した偵察部隊のプテラスが大規模な兵器工場を発見。
これを敵の“最終兵器”と見た司令部はグラハム大尉に破壊工作を任せることに。
リモコン操縦のマッドサンダーをあたかもトロイの木馬のように用いる作戦によって、
工場内を混乱に陥れることに成功する。“最終兵器”は発見できなかったように見えたが
そこへ現われたブラックコングが、凄まじいスピードで飛翔する謎の光輪を発生させ
「青い稲妻」ミッチャム中尉のシールドライガーMK-2を文字通り真っ二つに切り裂いた。
危いところで超電磁シールドを作動させたクルーガが発射した黄金砲によって
暗黒軍のコングは倒されたが、敵“最終兵器”の一部の威力を目の当たりにした
彼は額に汗を浮かべるのであった。


空から降り立った黒い大王
ZAC2053年10月。新たな飛行ゾイドのテストを務めるためクルーガが本国へ戻っていた頃。
“最終兵器”が発見されないまま、ヘリック共和国軍は暗黒大陸南端で長い戦いを続けていた。
ある日の午前4時、最前線基地がライジャー、ジーク・ドーベルを主体とする暗黒軍高速部隊の
襲撃を受ける。そして、包囲された基地司令部のタートルシップの直上に隕石が落下してきた。
混乱に乗じて攻撃に転じた暗黒ゾイドによって、共和国ゾイドが次々に破壊されてゆく。
そんな中、カノンフォートの操縦手・ロジャース少佐が最期に見たのは、隕石を割って現われた
今までにない巨大な敵ゾイドであった。暗黒軍の“最終兵器”ギル・ベイダーの登場であった。


ねらわれた平和の灯
ZAC2053年10月。暗黒軍の超巨大ゾイド出現の報が流れる中、
ギル・ベイダーはダラス海の超低空を突っ切って中央大陸へ飛来。
共和国首都上空で急上昇、史上初の共和国首都空爆を開始した。
暗黒大陸に主力を派遣していた為首都を手薄にしていた共和国軍だったが、
中央研究所に戻っていたテストパイロット達が唯一の効果的な反撃を開始。
クルーガ少尉のサラマンダーF2゛ファイティングファルコン”がレドラー部隊を叩き落し
グラハム「空軍」大尉のガンブラスターがギル・ベイダーに対空砲火を浴びせる。
しかし、クルーガを救う為に出来た一瞬の隙をつかれ、ガンブラスターは
地獄の光輪゛ビームスマッシャー"で3枚におろされてしまいグラハムは戦死。
この戦闘で、軍人・民間人あわせておよそ80,000人の生命が失われた。


黄金の翼は帰らず
ZAC2054年2月。ヘリック共和国軍は劣勢に陥り、日に日に撤退作戦が増加していた。
そんな中、幾多の犠牲の末に基地へと帰投するギル・ベイダーが発見された。
ギル・ベイダー撃墜に執念を燃やすサラマンダー洋上部隊所属・クルーガ少尉が
格納庫を発見。ウルトラザウルス飛行艇からキングライガーが降下。工作班が
補給中のギルに高性能爆薬をセット、爆破する。ところがギルは全くの無傷。
潜入部隊の脱出を待っていたマッドサンダーに危機が迫った。
必殺のマグネバスターも避けられ、あわやビームスマッシャーが直撃、という瞬間。
上空のクルーガが愛機ファルコンを盾に、自らを犠牲にしてギルの攻撃を防いだ。
しかし、その彼もファルコンの意志により脱出させられ、救われていたのだった。


ヘリック最後の決断
ZAC2054年5月。ヘリック共和国軍海軍提督ベルガーは、暗黒大陸で苦戦する
共和国軍を救うための海軍とてしての最終案を大統領に提示した。
海軍記念日にあたる5月10日。中央大陸に残されたすべてのマッドサンダー35機が
海戦タイプに改造され、艦隊として港を出港。共和国の命運を賭けた作戦であった。
そのため、連絡にはヘリックとゼネバスしか知らないHZ暗号が用いられたのだが…。
海中タイプのギル・ベイダーと通常タイプのギル・ベイダー編隊によって上と下から
猛攻撃を受けたマッド艦隊は壊滅。ゼネバスが生きており、暗号は漏れていたのだった。
残る希望は、中央研究所で完成していた新型ゾイド・オルディオスだけとなった。


天を駆ける救世主
ZAC2054年6月2日夕刻。
ガイロスは中央大陸へ向けて10機を越えるギル・ベイダー編隊を差し向けた。
この危機に際し、ヘリック大統領は一世一代の賭けに出る。
クルーガに与えられた指令は、預けられた試作1号機を用いて、ギル・ベイダーを
撃破するというもの。ヘリック共和国の命運をかけた作戦であった。
オルディオスの設計者である亡きグラハム大尉は、1本のテープを遺していた。
クルーガはその言葉に従い、ギル・ベイダーの唯一の弱点であるコクピットに対し
サンダーブレードを突き立てることに成功。相討ちという形で、上官と愛機の仇に
決着をつけたのだった。敵パイロットと共に一命をとりとめたクルーガは、機密保持の
ためにオルディオスを自爆させ、果てしなく広がる暗黒大陸の砂漠を歩き出した。
中央大陸のヘリック大統領は若く勇敢なパイロットを信じ、HZ暗号の発信を開始した。


明日への脱出
「ギル・ベイダー撃墜さる」「オルディオス、500機実戦配備完了」クルーガの活躍に加え
ヘリックがHZ暗号で発信したハッタリも功を奏し、暗黒帝国皇帝ガイロスは中央大陸の
爆撃に向かっていたギル・ベイダー大隊を引き返させた。
そのかたわらにいるゼネバスには、兄ヘリックの時間稼ぎという策がわかっていた。
ガイロスが真偽に気づく頃には本当に新型ゾイドが配備されているだろうということを。
一方、暗黒大陸の砂漠に取り残されていたはずのクルーガは、デルダロス海洋上にいた。
3年前の第一次上陸作戦の際に乗り捨てたレイノスが、当時の姿そのままに海岸線で
彼を待っていたのだった。超低空を、東へ。明日のやってくる方角へ。
力を取り戻したヘリック共和国は、再び暗黒軍に対して攻撃を行うだろう。戦いは続く。


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